「ひと」(小野寺史宣)のあらすじ・感想!本屋大賞ノミネートも納得!

2019本屋大賞ノミネート1本屋大賞

「ひと」(著:小野寺史宣)のあらすじ・感想まとめ!

本屋大賞2019にノミネートされたのも納得の良書です。

今回は「ひと」(小野寺史宣)のあらすじ・感想について。(ネタバレなしです)

「ひと」(小野寺史宣)のあらすじ

「ひと」は、小野寺史宣(おのでら・ふみのり)氏の小説作品。

2019年4月9日に発表予定の本屋大賞にノミネートもされました。(本屋大賞での順位は分かり次第更新します)

本屋大賞とは?

本屋大賞とは、本屋さんが1年間の中で一番売りたいと思った本を決めて表彰する賞。選考対象は2017年12月1日〜2018年11月30日の間に刊行された日本の小説本(別に海外小説・ノンフィクション部門もあり)。

同賞は「売り場からベストセラーをつくる!」という動機から設立。書店員の投票だけで選ばれる賞というのが特徴。日本で一番有名な芥川賞・直木賞は実績ある小説家たち(重鎮です!)が選考をします。

つまり「ひと」(小野寺史宣)は1年の中で選ばれた10作品のひとつです。

「ひと」(小野寺史宣)のあらすじ


母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、
交通事故死した調理師だった父。
女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を
東京の私大に進ませてくれた母。
──その母が急死した。

柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。
全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、
大学は中退。
仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。

そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた
商店街の惣菜そうざい屋で、買おうとしていた最後に残った
五十円のコロッケを見知らぬお婆ばあさんに譲ゆずった。
それが運命を変えるとも知らずに……。

https://www.shodensha.co.jp/hito/

「ひと」(小野寺史宣)の感想

「ひと」の魅力と感想をまとめます。

「ひと」の魅力

「ひと」の魅力を、ひと言でいうと…

コロッケが「ひと」の運命を変える!?

何のことか分からないと思いますが、書き出しがコロッケを買う場面なのです。

主人公の聖輔(せいすけ)は55円しか持っていない。

そのため50円のコロッケを買おうとしたら直前で売り切れてしまいます。(なんと!)

直前というよりも、「コロッケを」とまで声に出したのに、突然おばあちゃんが横入りして買われてしまいました。

ただし横取りされた、わけでもないのです。「先どうぞ」と聖輔が譲ってしまいましたから。

この聖輔の人柄も本書「ひと」の魅力です。

コロッケを買った場所は東京・江東区の砂町銀座商店街。

どの駅からも近くないけれど、それでも人が集まる場所。

アーケードもないので雨の日は売上が落ちる場所。

テレビでも取り上げられるので、賑わっています。

この場所・砂町銀座が本書「ひと」を象徴しています。

結局、店主の好意で持ち金55円で、120円のメンチカツをもらいました。

聖輔は思い切ってこの総菜店でバイトを始めていき、成長していくのです。

「ひと」の個人的な感想

「ひと」の感想は、ひと言でいうと…

絶望の中でも「ひと」の縁が生きる力になることを再確認した。

鳥取県の高校での同級生の女子が、聖輔のことを砂町銀座商店街で気付いたのも、道を譲ってくれたから。

そして、その聖輔の人徳は、父親譲りでもあります。

父もあることを譲りました。

父が事故死、母が病死をして、天涯孤独となった20才の聖輔。

奨学金をもらって借金をしたくないから、と東京の大学も辞めて、生活を切り詰めていたころにコロッケを譲った「縁」で思い切ってバイトを申し込んだ総菜店。

何かを失うこと。思いがけない出来事に遭遇すること。

そんなことは、よくあること。それでも、みんな自分にはないと思って生きてるのも正直なところでは?

個人的に本書の読書中だったのですが、現実でも池江璃花子選手(18)が2019年2月12日に発表したこともオーバーラップしてしまいました。

公式Twitterで「混乱」していると述べた上で「また強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう」頑張りたい旨をツイート。

本書「ひと」で両親が相次いで亡くなる状況も信じられない出来事であり、自分の腕をもぎとられた、あるいは心に穴がぽっかり空くような心境ですが…

トップアスリートが白血病になることも混乱する出来事。

生きていると信じがたい、理不尽なことがある…それでも、前を向こう、今できることをしよう、本書「ひと」の聖輔の行動とともに現実の池江璃花子選手にも励まされました。

(小説の)両親の不幸と本人の病気は、似た境遇ではないので、一緒にするなと思った方は申し訳ございません。

ただ、本を読むタイミングも運命、縁なので書き足してみました。

さらにいうと、私も昨年、まだ60代の母を亡くしたので、感情移入して本書を読んだことも付け加えておきます。

まだ母の死は整理できていないのですが、それでも、縁を大切に、ひとを大切にしていきたい。

そして本書「ひと」に戻ると、主人公の聖輔が、唯一、他の人に譲れないものがありました。

そこも本書の見どころです。

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